拝啓、小田さん・・・2006/02/09 08:09

 先日、夕方テレビをつけたら、NHKのBS放送で、シンガーソングライター小田和正さんの「にんげんドキュメント」という番組の再放送をやっていた。
見たいなと思いつつみそびれた番組だったので、途中からだが、そのまま見た。

 昨年のライブツアーを取材したもので、58歳の小田さんは、道を走り、ジムで体を鍛えてステージに臨む。

 そのツアーの最後のステージ前の舞台裏で、
「もう、しょうがないよね!ここまできたら、やるしかないよね」
みたいなことを、メンバーと笑顔で話していたのには、笑ってしまった。

 小田さんの曲は、オフコース時代と同じような高音の歌が多くて、ライブで歌い続けるのは、喉にとっては、とても大きな負担になるらしい。
それに加えて、実際のステージでは、所狭しとマイク片手に会場を走り回り、ファンと握手をして、手を振って・・・と、大サービスだ。58歳でこれをステージで長時間やるっていうのは、普段、相当の鍛錬をしていないと、まず無理だろう。

 また、歌っている途中で歌詞を間違えたり忘れるシーンも何度か出てきて、
「あ、ごめんなさい。間違えました。せっかくいいところだったのにね。」
と素直に謝って、また一から丁寧に演奏が始まるのは、なんだかほほえましかったし、好感が持てた。自然体という言葉がぴったりだった。

 昔は若い人に向けて(女性ファンが多かった)恋愛の曲を歌っていたけれど、今聴いてくれる人は、ふと気付くと小田さんと同年代の人達。男性が増えていて、その事実に愕然としたそうだ。かつては、58歳で歌を歌い続けている自分なんてのも、考えてもいなかったらしい。その、自分と同年代の人達に向けて書いた曲というのもあった。58歳になるのは、まだまだ先の私でも、しみじみと聴けるいい歌だった。

 番組を見終わって、昨年出たアルバムを是非聞いてみたいと思い、レンタルショップに向かった。久々に聴いた小田さんのアルバムは、とても素晴らしく、続けて何度も何度もリピートで聴いてしまった。

 歌詞には「メール」というような、オフコースの頃にはなかった、今の時代の単語もあるけれども、「君」「僕」といった、昔のまんまの小田さんの潔い世界が、澄んだ歌声と共に、私の心に染みとおっていった。「まっ白」という曲もあったけれど、本当に真っ白な世界のような、そんな透き通ったイメージの、素敵な素敵なアルバムだった。

 小田さん、これからも、ずっとついていきます。
今度は絶対にアルバムも出たら買うし、もしもチャンスがあれば、
「すみません。歌詞間違えました。」というのも、この耳で実際に聞いてみたい。
次のツアーは、私の住んでいる、この街にも、是非来てくださいね。
                                    敬具