引き継いだ食器2008/03/17 17:45

引き継いだ食器
 週末、一族で集まるので、宿泊する家族のために部屋を片付けようと思った。
部屋の片隅のかごに、ざくっと入れていた品物を片付けようとしたのが運のつき。
それから夕方まで、怒涛の片付け状態に突入してしまった。

 かごに入れていたのは、陶器のかざりものだったのだけれど、それを1階のリビングのガラスケースに入れるため階下に行くと、そこは工事の時から全然掃除をしていなくて、まずは雑巾で棚を拭くことからスタート。

 ついでに、しまっていた食器も出してしまえと、つきすすみ、洗い場に洗剤と水をためて、プラスチックのコンテナーから出しては洗って中にしまい…という作業が始まってしまったのだった。

 改装前には必要と思った食器や装飾類も、さすがにきれいになった部屋には不具合だったり、不用だったりする。
今度の方がシビアーな視線である。

 そうやっているものといらないものを仕分けつつ作業をしたのだが、二階にしまってある大事な食器類も思い出して下ろしてきて、行ったり来たり、一日ずっと立ち通しだった。

 考えてみると、私は老若二人の親族の女性の食器を引き継いでいる。
一人は、まぁ家族としては惜しまれるものの、おそらくは天寿をまっとうしたと思われる女性。
この人は、割と可愛い絵柄の食器を普段使いで買っている。

 その一方で、ボーンチャイナの一式を持っていて、あまり普段は使っていなかったようである。しかし紅茶のカップは3つないので、これは来客時に頻繁に使ったのだろうか。
ちょっとそそっかしいところもあったようで、不揃いの数の皿が非常に多い。
欠け茶碗も多くて、これは思い切って捨ててしまった。

 もう一人の女性は、あまりにも早くこの世を生き抜いていった人で、ひとつ年下の私は、とっくにその人の年齢を過ぎてしまっている。
その人がこの世を去って、今年の夏で10年になる。

 この人も、同じくボーンチャイナの紅茶の一式を持っていて、これはおそらく誰かに結婚祝いにもらったものではないだろうか。この人の方が淡い色合いである。
こちらは、全部揃っていて、私もその家を訪れた時にこれで紅茶などをいただいたことがあるんだと思う。

 その他にクリスタルガラスのコップやワイングラスがあって、これは洗うときに細心の注意を払っておこなった。
ワイングラスは6つぞろい、コップは4つなので、もしかすると2個くらい割ってしまったのかもしれない。

 私自身は、普段使いの容器は、一番好きなのは真っ白なもの。
どんな料理にも合うし、和洋食どちらでもOK。

 材質は電子レンジにかけられるもので、比較的丈夫で割れにくいタイプの物が好き。
今まで部屋が狭くて、自分のお客を呼んだことはほとんどないから、受け継いだ紅茶のカップ&ソーサーを使うことも今まではほとんどなかったしなぁ。

 まだ先の話だが、春の連休には家族が集まる予定なので、その時には、これら二人の親族の女性から引き継いだ想い出の食器類で、紅茶を飲んだり、ケーキをいただいたりしてみたいなぁと思っている。

 食器を片付けながら、今は亡き、二人の女性達に思いをめぐらせた一日であった。
持ち物って、なんだか不思議と持っていた人が宿る感じがするものね…。