自家製食パンの進化2005/10/30 08:22

 自家製食パンが進化した。

 実は我が家はもうかなり長い間、食パンは買わず、家で作ったのを食べている。

 そうなる以前から、食パンを買うのは面倒だと私は感じていた。結構かさばるし、冷凍でもしておかない限りそうそうは長持ちしない。気付くと在庫がなくなっていて、買い物にわざわざそのために出かけなくちゃならない。それと買い物を済ませて家に帰ってから、 「あ、忘れた」と気付く第一位が、私の場合、食パンだった。

 ちょうどその頃、読んでた雑誌がパンの特集を毎号載せていて、それを見ながら見よう見まねで作り始めた。手でこねていたらすぐ腱鞘炎になり、パンこね機を購入。材料を入れてタイマーでセットすると、そのまま朝焼きあがるものもあるらしいが、まぁオーブンもあることだし、と、こねて一次発酵までしてくれるシンプルなやつを買った。

 パンは一次発酵してぷーっとふくらむと、ベンチタイムといって、一回空気を抜いてしぼませて、ちょいと休ませる。毎回材料をきちっと量ってつくっているのだが、天候なども関係あるらしく、一次発酵まで終わったタネを手にした時、もちもちと赤ちゃんの肌のような感触がして手にべたつかないと、大抵上手に焼けると確信できる。

ベンチタイムが終わったパンは、二分割の丸にして、長方形の一斤サイズの型の底に並べる。それをオーブンレンジの中に入れて40度で二次発酵させる。型にはふたがついているのだが、二次発酵のときには、きっちりしめず、軽く上にのせておく。(一度ふたをして発酵させたら圧力でふたが開かなくなり、ちょっと怖くなったので)

本格的に焼く時にはふたを本体とスライドさせてきっちり閉めて焼く。ふたはなくてもいいのだが、そのまま35分焼くと上の部分がこげちゃうこともあるらしく、途中で上にアルミホイルを乗せるなどと面倒なことが書いてあったので、いつもきっちりふたをしていた。

ところが、その日は、蓋を閉めるのをすっかり忘れていて、気付いた時にはもう焼きあがっていた。おそるおそる開けてみると、パンはふたをちょいと押し上げたくらいでけなげに焼きあがっていた。サイズは、まぁ今までの食パンに比べると1.5~2センチ上に大きくなった感じ。ふたがあったので、上の部分もこげていなかった。

いつもどおりにすっかり冷めてからパン切り機でカットしてみると、今までになかったようにふんわりしているではないか。

確かに今までの自家製食パンは市販のものより固かった。 家族には、 「売ってるパンはね、色~んな添加物が入ってるから、やわらかいんだよ~。うちのは無添加だから固いのは仕方ないの!」 と、かなり苦しい言い訳をしていたのだが、このパンのふんわり具合は我ながらなかなかのもの。

実際、家族からも好評であった。 以来、パン型のふたは、閉めずに上にちょこんと乗せるだけにして焼いている。

偉大な発見は、ちょっとした偶然から生まれるのね、と実感する、我が家の大発見、 「自家製食パンの進化」であった。

まぁ、パンを作るより買った方が、やはり考えてみれば楽なのかなと、最近思うこともあるんだけどね。