恐竜の・・・??? ― 2005/10/27 08:32

私はかつて一度だけ骨折したことがある。その場所が、今みたいな季節の変わり目に、なんだかうずいてくるのだ。痛いというほどでもないけれど、 「以前ここを骨折しましたよね~?」という風に、じくじくとその存在を主張してくる感じ。
それはどこの骨かというと、いわゆる「しっぽ」の名残の骨ともいうべきところ(本当か???)で、仙骨(せんこつ)というんだそうだ。
かれこれ数年前のことになるが、正月のスキー場でのこと。リフトを降りる時に隣に並んでいた家族のスキー板が私の板とからまり、降りて前方に進みつつ、すてーんところんでしまったのだった。リフトはその時、いったん止まったんじゃないかと思うが定かではない。何しろころんだところはスキーやボードの板でつるつるにならされ、寒さで凍り付いていて、かちんかちんに固く固~くなっていた。そこに無防備にお尻から、ステンと尻もちをついてしまったのだ。
その痛みたるや、いまだかつて味わったことのないものであった。でも恥ずかしさもあって、なんとか立ち上がり、家族についてゲレンデを滑り出した。もうあと1、2本であがろうと話していたので、多少の痛みはあったものの、普通に滑って帰路についた。
その後もいつもどおりに生活を送り、エアロビクスの教室にも普通に週一通った。しかしジャンプをすると、何か痛みを感じる。それから買い物袋を両手に提げて帰ると、やはり鈍痛がある。これは一体なんだろう。
その週末、あろうことか日帰りでスキーに行った。重たいスキーブーツに履き替えて歩くと、買い物袋を持っていたときと同じ鈍痛が走る。まさか骨折しているとは思わなかったけれど、これでころんで同じところを打ったら、かなりやばいぞ・・・!というのは分かった。一緒にいる人に心配をかけてはいけないので、黙ってはいたけれど、あれはまさしく決死の思いのスキーであった。幸い気合のおかげか、一度もころばず無事に帰ってこられた。
それからしばらくしてまだ痛みがあるので、ようやく外科に行った。レントゲンを取ってもらったら、 「骨折ですね、でももう、少し直りかけてますよ」とのこと。
自分は人間だと今まで思っていたのだが、見せられた骨は、恐竜のなごりみたいなしっぽであった。こんな部位が身体にあったとは、本当にびっくりしてしまった。
「ここじゃ、どうしようもないからね~」と医者もへらへら笑いながら、気を紛らわせる湿布と痛み止めを処方してくれた。両方痛みが我慢できない時には使用した。
そのうち知らぬ間に痛みも取れ、骨折したことさえすっかり忘れてしまった。
ところが今みたいな季節の変わり目になると、「お前はかつて恐竜だったんだぞ~」と仙骨が主張するのである。 そんなときに限ってこれから2時間半電車に乗らなくてはならないという事態 に直面する。乗ってから最初の5分ぐらいでこれが来ると、かなり厳しいものがあり、途中なんどもごそごそお尻の位置をずらしたりして乗り越える。
もちろん恐竜が人間の祖先じゃないことくらいは、一応私も知ってるんだけどさ。でもちょっとロマンがあるような気がしない?さるのしっぽとかいうよりは・・・。 実は、もうばれているかと思うが、恐竜は展覧会があると、毎回必ず足を運ぶほど、とてもとても好きなんです。