幼稚園2005/10/16 09:05

 私は結構よく夢を見るほうだ。しかもしぶとく、その内容を詳細に渡り記憶している。夢とは、深く眠っている時にはどうも見ないものらしい。私の場合は、朝方、眠りが浅くなるころに見るため、起きた時にしっかり覚えているようだ。ハリウッド映画ばりの冒険談もあるし、妙にシュールレアリズム感あふれた前衛的なものもある。フルカラーの豪華版だったりするときもある。

 登場人物は、やはりなんといったって家族が一番多い。今、一緒に住んでいる家族の登場頻度が一番高いが、今現在は別に、遠く離れて暮らしている家族もたびたび登場する。自分や家族の年齢も、老若自由自在である。 (ただし親の子供時代というのは、写真ぐらいでしか見た事がないから、やはりないかな。)

 夢の中で、ピンチに陥った時に助けてくれない家族がいると、朝食の時に、見た夢を説明しながら、「なぜあの時、あんなに冷たくしたのか?」と恨みがましく糾弾する。それまで気楽に笑っていた家族が、突然、話をふられて「へ?」と理不尽な顔をするのも、なかなか面白い。

 つい最近みた不思議な夢は、家族とその他の(いわばドラマのエキストラ的)人達とで、幼稚園の試験を受けに行くというもの。もちろん皆、立派な大人たちばかりである。 しかしそこは幼稚園の入園試験なのだからして、円卓(それも子供用の低いものでレモン色)を囲むようにして椅子に腰を掛け、試験官(これは声だけなんだな、何故か)に言われるままに、皆でじゃんけんをしたりして、たわいなく楽しい一定の時間を過ごすのだ。

 やがて試験が終わり、結果が発表になる。他の人がどうなったのか、自分が受かったのか落ちたのかは分からない。しかし、何故か家人が試験に落ちたことだけ判明するのだ。落胆した家人に、私は、「これから1年、どうやって過ごすのか」と、かなり真剣に問いただす。すると家人は、 「せっかく与えられた自由な一年だから」といって、西の方にある地名を言い、そこに移り住むというのだ。そこは、家人が小学校の頃、住んだことのある地方都市の名前であった。そうか、そこで旧友と再会するのだな、と妙に納得してしまった。

 夢なのであるからして、何のオチもなく、そこでいきなり終わってしまった。

 そして今朝も食卓を囲みながら、漱石の「夢十夜」ではないが、私は性懲りもなく、困惑した表情の家人を前に「こんな夢を見た」と報告している。