炭焼きレストランで待つ2007/04/21 21:56

 一日多忙な日程をこなし、ようやく夕方に体があいた。

 遠方に、大きなバンのレンタカーで出かけたので、もちろん運転は家族。
昼食会も、運転手は無論、ビールは飲めずに我慢した。

 夕方風呂に入り、遠方から来た家族の誕生日を祝おうと、炭焼きレストランに入った。
誕生日の家族は大のステーキ好きである。
なかなか一緒に誕生日当日に祝うことは出来ないからと、前々から計画していた店に行くことにしたのだ。

 ところがちょうど夕食時の週末だったので、入り口で名前と人数を言うと、
「20から25分待ちです」
とのこと。

 それから椅子に座って、じっと名前の呼ばれるのを待つのだが、何しろそこは炭焼きのステーキの店なので、店内は肉汁のおいしい匂いがただよっている。

 しかも、運転手は休みの日だというのに、まだ1滴もアルコールを飲んでいないのだ。
おいしそうな匂いと、アルコールへの渇望で、もうたまらん・・・という表情の運転手。

 一方、当の誕生日の家族は、待つのがつらいというよりは、運転手をおもんぱかって、
「さぞかしビールを飲みたいだろう・・・」
と、離れた席で考えつつ待っていたようだ。

 名前の表をちらちらとのぞいていると、あと1組で、私たちの番になった。
それからが、長い長い・・・。

 結局全部で30分近く待って、ようやく席に案内された。
注文したサーロインステーキは、オージービーフで、やわらかさといい、焼き具合といい、味といい、お値段の手ごろ感といい、皆が満足するものだった。

 当の運転手も、生ビールを二杯ぐっと飲み干し、ようやく顔に笑顔が戻ってきた。
今日は本当にお疲れ様でした。

 しかし、炭焼きレストランで順番を待つのは、あの匂いと空腹と期待感が相まって、なかなかつらいひとときであったことだけは確か・・・。