犬の片思い2011/01/30 20:32


犬の片思い

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 今年の初めに散歩していて、「猫ちゃん」といった所、犬はちゃんと猫だと認識して追いかけようとした。

 その後、「猫」と言っても同じように分かるようだった。

 庭の軒下のケージは、犬を飼う前は、近所の猫がよくひなたぼっこをして昼寝していたところである。

 さすがに今は猫は来ないが、それでも庭を堂々とつっきるのだ。それでうちの犬は猫に異様な親近感を持ったと見える。

 犬の反応が面白くて、猫などいないのに、散歩中に「猫ちゃん」と言おうものなら、どこにいるかときょろきょろしたり走り出そうとしたりするので、めったに口に出来なくなった単語である。思えば、猫をみるたびに、私が「猫ちゃん」と言っていたから、自然と覚えたんだろうね。

 当の猫はというと、うちの犬を見ると、皆、迷惑そうな顔をして、にらんだかと思うと、すぃーっといなくなったしまうのだ。

 うちの犬の片思いは決定的で、気の毒になるけれど、仕方ないよね~、こればかりは…。