師匠が夢枕に・・・2007/04/18 17:56

 思いがけなく、私の夢の中に、初めて園芸の師匠たる家族(故人)が出てきた。

 夢の中で唐突に、1階の居間の窓をバックにして、いつもの作業着姿の懐かしい師匠が、立っていたのだ。

 夕暮れ時なのか、電気のつけていない居間は暗くて、逆光に師匠の姿がぼーっと黒く浮かび上がっているのだが、それでもそれが師匠であることは、はっきりと分かった。

 何故か、こちらも話しかけず、向こうも何も話はしなかったのだけれど、ほんの短い時間ではあったが、師匠と私は黙って向かい合っていた。

 しかし、実在しているような感覚というのは、やはり希薄だった気がする。
そこにいるけれど、本当はいなんだ・・・と夢の中でも分かったいたような、そんな感じであった。

 毎度毎度の私の夢らしく、師匠はそこで突然いなくなってしまい、その後、また同じ居間の、よく師匠が出入りしていたガラス戸から、作業着姿の老人が入ってくるのだが、今度は昼間なのか、部屋は明るくて、入ってくる人の顔かたちまで、はっきり見えた。

 な、なんと、それは偽者の師匠なのであった。
師匠は、はやしていなかった、白い短いあごひげをはやしたその老人が、部屋に当たり前の顔をして、あがろうとするので、
「家を間違えていませんか?」と、私は慌てて声をかける。

 そうすると、その偽師匠は、悪びれもせず、今、気がついたという感じで、
「あ、間違えました、すみません・・・」
と、すたすたと外に出て行くのである。

 知らない老人が家にこう簡単に入ってこられるんじゃあ、ちょっと無用心だよな・・・と思っているうちに目が覚めた。

 その日は、ビンや缶のゴミを出す日だったので、いつも一緒に出している家族に、夢の話をして、
「埋葬式を前に何か言いたいことがあったのかねぇ」などと、言いながら、指定の場所に出しに行った。

 ・・・と、何もないぞ!
昨日、ビンを入れるプラスチックの箱が設置してあるのを見て、今日がそうだと勘違いしたのだが、実は昨日見たのは、回収した後だったようだ。

 家に帰って壁に貼ってあるゴミの収集予定表を確認したところ、やはり昨日がビンと缶の収集日だった。
月一度の大事な日を逃したわけで、朝から妙にがっくりと落ち込んでしまった。

 ・・・と、そこで気がついた。
夢枕に現れた師匠が私に言いたかったのは、
「缶とビンは昨日だよ」ということではなかったろうか。

 確かに夢の中で、何か師匠が言いたそうにしているような感じがしたことは確かだ。
生前、師匠は我が家のゴミ一切を担当してくれていて、ビンと缶の回収の前日には、必ず私に、「明日はビンと缶の日」と、教えてくれていたっけ。
そうして、忘れることは一度もなかったのだ。

 そうか、そうだったのか・・・師匠。
月一度の大事な収集日を忘れるとは、なんて頼りない・・・と思って夢枕に現れてくれたのね。
そんなつまんないことで、どうも誠に申し訳ない限りございます。

 次回からは絶対に間違えないようにしますので・・・。
でも、また時々夢に出てきてよね!