歌を歌う♪2007/04/05 17:26

 先日入院した家族の病室に、家のテーブルにいつもおいてメモ代わりに使っているホワイトボードを持ち込んだ。

 そこに、その日の日付と曜日を書き、その日に来る人の名前や時間などを書き込むのに利用していたのだが、ある日、訪ねてみると、そこの下の方に「千の風になって 秋川雅史」と小さく書いてあった。

「誰が書いたの?」と聞くと、
「私です・・・」と。

 少し前になるが、年末年始にかけて、やたらこの曲がテレビに流れて、
「いい曲だよねー」と一緒に聴いていた事を思い出した。
「忘れちゃうからね」と、家族は照れくさそうに笑っていた。

 幸い家族は10日ほどで無事に退院して、今週からデイサービスにまた行き始めたのだけれども、先日、この歌の歌詞を持って帰ってきて、私に見せたので驚いた。
「この曲、歌える?歌って!」と催促されたのだが、さびの部分は少し分かるものの、歌詞だけ見ていても全然だめ。

 デイサービスでも、曲を流しながら一緒に皆で歌ったんだそうだ。
「曲と一緒なら歌えるんだけどね。○○さんは、テープを買ったんだって」と、うらやましそうに話している。

 そういえば・・・。
実家の母がこの曲のCDを買って欲しいというので、先月買って来てきて、渡す前に自分の携帯音楽プレーヤーに入れていた事を思い出した。

「あったよーーー!」と言い、携帯音楽プレーヤーに、携帯スピーカーをくっつけてさっそく曲と一緒に歌ってみる。

 全部で3回一緒に歌った。
家族がもらってきた歌詞カードは文字が小さいので、大きく打ち直して渡したら、すごく喜んでいた。

「毎日、ご飯の時に一緒に歌おうか!」と提案すると、とても喜んでいたが、他の家族が驚くかもね・・・と笑っていた。

 一緒に歌ってみて、その家族は声がとてもきれいなことに気がついた。
そういえば、ちょっと前に車の中のラジオから、昭和初期頃かと思われる古い音源の音楽が流れた時、この家族がそれにあわせていきなり高い声で歌いだして驚いたんだったよな。
それも、きれいなソプラノだった。

 その時に、歌いだした本人も、「懐かしい歌だよねー」と驚いていたのだが、「この曲なんだっけ?」と聞かれても、その時に乗っていたほかの3人は、皆この曲が流行っていた頃は、この世に生を受けていなかったと思われる。

 歌の力ってすごいね。
毎食後と、午後のおやつの時間に家族と一緒にこの歌を歌ってみようかな。

 私もいい曲とは思いつつも、こう何度も流れては・・・と、閉口していた時期もあったのだけれど、自分の倍くらいの年齢の人と、ひとつの曲を歌うことによって、心がかよわせられるって素敵だよね。
しかもデイサービスで、歌っているとは、まったくもって素晴らしい!

 そういう意味で、紅白歌合戦で歌われたこの曲は、日本において世代を超えた久々のヒット曲なのかもしれないね。