トマトを煮る2006/09/03 09:01

 時折、冷蔵庫の掃除を兼ねて、ごった煮のスープをこしらえる。

 ハムとかベーコンの切れっぱしに、セロリの葉っぱ、玉ねぎ、ジャガイモ、ちょっとしなびた人参などを、適当に切って、コンソメの素と共に煮込んでいくのだ。

 簡単に野菜が沢山食べられるのもいい。
最後に、缶詰のトマトを入れたりしていたのだが、この夏、市販のトマトを、種を取ってから、ざくざくカットして、最後の仕上げに入れてみたところ、なかなか美味しい。

 もともと、日本のトマトは煮るのに適さないという先入観があって、買っていた缶詰のトマトは、イタリアの果肉の厚い細長いトマトの水煮だったのだけれど、実際に日本のものをゆでてみると、酸味が結構あって、私好み。

 ポイントは長時間他の野菜と煮ないで、最後にちょろっと入れて簡単に火を通す程度なのだが、なかなかいける。

 これに気をよくして、これまた余ったナス、ピーマン、しめじ、ズッキーニを細かく切って、電子レンジでチンしてから、オリーブオイルでさっと火を通し、塩コショウを振り掛ける一品にも、このトマトを入れたところ、これまたいけるぞ。

 雑誌で、チョイ悪親父で売り出している、イタリア人のジローラモさんが、以前テレビ番組で、「イタリアのトマトのような味が出せるのは、日本ではプチトマトである」と言っていた。

 確かに、日本のトマトをゆでても、イタリアのトマトのような、しっかりした味の濃さはないのだが、それはそれで、おいしいのでは・・・という結論に達した私である。
もちろん、スープに溶けてしまって、主張は薄いけれど、酸味は残るのだ。

 ぴろんと剥けてしまったトマトの皮がスープに浮いているのも、実は結構好きである。
最近人気で、ちょっと高めの、甘さを売りにしたトマトではなくて、ちょっと青くても安いトマトを、少し冷蔵庫に保存させて赤くなったところで、調理するとなかなか美味。

 この夏の、ささやかな発見なり。