ダビンチ・コード2006/05/30 08:25

 話題の「ダビンチ・コード」を、ようやく映画館で見てきた。

 実は原作は、まだ文庫本にならない、単行本の時に上下巻、買って読破した。
書店に、ベストセラーのうたい文句と共に最初に山積みされていた時の話。

 ・・・と偉そうに書いているが、実は買ってから、バタバタ忙しくて、
「図書館で予約を入れたら、ン十人待ちだった・・・」という友人にまずお貸しする。
その後、読みたいという家族に貸した。

 いずれも評判は良く、「あっという間に読んじゃった」とのことであった。
確かに、読み始めるとやめられない。上下二巻をずんずんずん・・・と読み終えてしまった。
現在は、また別の家族の手元にある。

 原作を読んでから映画化されることを知り、楽しみにしていた。
読破してからだいぶ経つので、内容も、詳細には記憶していなかったし・・・。

 映画を見ての印象は、作品を上手に映像化していたということかな。
トム・ハンクス初め、共演者は皆、イメージを壊していなかった。
修道僧のシラスはちょっと不気味だったし、私のイメージでは、映画のような美形ではないのだが、危うい感じは出ていたよね。

 2時間半ぐらいのかなり長い映画だったのだが、あまり長さを感じず見られた。
本のほうが、色々な謎解きをゆっくりと楽しめたけれど、ダビンチの最後の晩餐の絵を説明するところなんかは、やはり映像の方が分かりやすかったし。

 あとは、主人公を演じたトム・ハンクスがキーワードや、暗号を解明していく時に、文字や図形がフラッシュでぱっと白っぽく照らされて浮かび上がっていくようなイメージで表現しているのが、面白かった。
余計な説明はない分、頭の中で少しずつ、解読されていく経過がビジュアル的に楽しめる。

 脳内現象を、こうした映像にしていくというのはなかなか面白い発想だ。
最近、よくメディアに登場する、脳科学者の茂木健一郎さんだったら、脳科学的に、どのように説明するんだろう・・・なんて思いつつ、楽しんだ。

 最後のテロップまで見たが、撮影に、ルーブル美術館の協力は得られたんだよね、やっぱり。
原作に出てきた英国のウエストミンスター寺院での撮影は確か許可されず、映画では別の教会になっていたように思う。
そこは、美術館とキリスト教会の立場の差なんだろうけれども。

 公開前に一部の狂信的な信者が、原作を燃やしたりして話題になったけれども、焚書が現代でも行われるというのは、ちょっと怖い。
こうした過剰反応による行為は、かえってメディアの好奇心をあおる事になりかねない。
ローマ教皇が、この映画について何も言及しなかったのは、非常にかしこい判断だと思った。

 自分としては、映画のラストに出たように、フィクションとして読んだし見たのだが、小説を真実と捉えて、ロケ地に足を運ぶ読者が多いんだってね。ダビンチコードを検証する番組も多い。まぁ、見ている分には面白いが、あまり夢は壊さないで欲しいな・・・というところもある。

 ルーブル美術館には学生の頃、一度足を運んだが、ガラスのピラミッドはまだなかったと思う。
映画では、なかなか素敵な映像で、映画で刑事役のジャン・レノが言っていたほど、醜悪には見えなかった。ラストの夜の闇にライトで浮かび上がっている映像は圧巻だったし。

 いつか、自分の目で実際に見て、判断してみたいな・・・。
いずれにしても、今の一連のダビンチ・コードのブームが終わってからになるだろうけれども。