つり銭2006/05/25 07:11

 私は買い物をして、お金を支払う時には、絶対に世間話の類はしないようにしている。
だって、話していて、レジの人が間違えちゃうことだってあるだろうし、間違えられたことにも気付かなかったら大変だから。
金額の大小にかかわらず、受け取り忘れや計算間違えがあっては、いけないと、結構真剣になってしまうのだ。

 先日、近所のクリーニング店に行ったところ、上品なおばあさんの先客がいた。
そこの店から送ってきた葉書を提示すると30パーセントオフ、さらに今月中に既定数スタンプを押してもらうと、割引券がもらえる。

 なんとかその日、全部のスタンプを押してもらう事が出来、割引券を無事ゲット。
その先客に、妙に感心されてしまったのだが、まぁこれは誰でも普通に、やることだとは思うけど・・・。

 実はその時は店に人が多くて、パートのおばさんが受付に二人もいたのだ。
いつもは、パートがいても一人だし、普段は店の奥さんが奥から「はーい」と出てくる感じなのに。
どうやら今が、かきいれ時らしい。

 先客は立ち去りがたいようで、パートのおばさんも、
「今年は出足が悪くて、今頃から冬物が出てるのよ」なんて話している。

 そうこうするうちに、私の出したものをカウントしてくれて、802円ですと、言われた。
1.000円札と2円を支払い、私は200円のおつりをもらうはず。

 クリーニングの引換券がレジで印字される間、小銭入れの口を開けておつりを待っていた。

「急ぎじゃなくて大丈夫ですか」と聞くので、
「大丈夫です」
と返事をした。だって冬物だもの。もう着ないから出しているのだ。
そうしたら、おつりはなくて、クリーニングの引換券だけ、渡された。

 で、また、おばあさんとの世間話が始まろうとしているので、どうしようかと思ったけれど、思い切って
「おつり、いただきましたっけ?」
と聞いた。

 そうすると、担当してくれたパートさんは、おや・・・という表情をしている。
そこは雇われ人の気軽さなのか、すぐにレジを開けて、つり銭を渡そうとするので、

「私・・・、もらってないですよね?」
と、なんだか不安になって、再度念を押して聞いてみたのだけれど、二人いるパートのおばさんは、どちらも、さぁ・・・というような表情をしている。

 と、後ろから、経営者の奥さんが出てきそうな感じだったので、200円をそのまま素直に受取って、あわてて店を出てきた。

 今日はなんだか人も多いし、うっかりしてしまった。
でも、小銭入れの口を開けて待っていたのだから、つり銭はまだもらっていなかったのだろうと思うが、どうなんだろう。
200円をちゃんともらっていたら、いくらなんでも、がま口は閉めていたと思うのだが・・・。

 しかし、私の記憶だけが頼りというのも、なんだか不安だよね。
後から出て来そうな雰囲気だった、そこのおばさんだったら絶対そういう間違えはなかったと思う。

 わずか200円のことなのだけれど、なんだか後々気になった事件だった。
やはり金銭のやり取りの時に、無駄口をたたくのだけは、よそうっと・・・。