窓からの眺め2005/12/08 08:10

 ある朝、突然、大きな音がしはじめた。

 バリバリッ、バリバリッ・・・というものすごい音。
家の窓から外をのぞいたら、なんと近くの家を取り壊しているようだ。

 実はこの家の向こうに、海が見える。
海が見えるったって、その前に家々が沢山沢山あって、その先に細長―く見えるだけなんだけれど、それでも自宅の窓から海が見えるっていうのは、なかなかいいもんだ。

 晴れた朝は、青い海がとてもきれい。昼ちかくなると、ぴかーっと海の上が鏡みたいに白っぽく光って見える。午後になると、今度は海の色は深い青色になるのだ。
その時々の海の変化を、窓から覗いては、楽しんでいた。

 今までここは平屋だったから、その向こうに海が見えたのだが、建てかえるということは、今度は土地を有効活用して、二階建てにするのではないだろうか。
そうなると、家からの海の眺めは、左半分がまったく見えなくなってしまう。
そんな私の心配をよそに、工事はどんどん進み、わずか数日で家は取り壊された。

 家がなくなった土地に、今度はブルドーザーが、ずんずん入っていく。
がーがー轟音を響かせていたが、ふと気付くと、地面を平らにならしている。
その後、そこは、コンクリートで固められて整地されていった。

 そして、数日後には、地面に綺麗に白線が引かれ、駐車場に変身したのだった。

 あ~、よかった。
これならば、家からの海の眺めはまったくさえぎられることはない。
ひとまず、ほっと胸をなでおろした。

 今日も窓から見える海が、とてもきれい・・・。